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コラム 「日本の常識、タイの常識」
実体験「タイでの交通事故事情!」



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タイは、日本人駐在員の車の運転を禁止している日系企業があるくらい、交通事故を起こすとひどい目に会う国です。

私は、毎日、自分で車を運転しておりますが、ここ3〜4年間で一度だけ、交通事故を起こしてしまいました。そのときの様子です。


ある日の朝です。
いつものように、車を運転して仕事に向かいました。
いつものユータン路にいつものようにバイクが止まっておりました。
バイクは、いつ飛び出すか分からないので、私も車のスピードを緩めました。今回は、これが裏目に出てしまいました。

何を思ったのか、いきなり、バイクが飛び出してきました。私は、フルブレーキを掛けました。しかも、その時に、スピードを緩めた私の車を追い越すために、後ろの車がスピードを緩めずに、私の左側を追い越そうとしていました。

バイクの運転手は、一瞬の判断で、私の車とぶつかることを決めたようです。(これは正しかったと思いますが、飛び出したこと自体が正しくはないのです。)
私の車は止まりきれずに、彼のバイクとぶつかりました。

バイクの後ろには、小学生の女の子が同乗しておりました。

幸いにも、スピードを緩めていましたので、バイクの運転手は足を複雑骨折しましたが、大怪我をせずに済みました。後ろに乗っていた女の子は、怪我もなく、本当に、良かったです。

ちょうど、朝のラッシュ時でしたので、すぐ近くに警察官もおりましたので、すぐに救急車を呼んでくれました。とにかく、余計なことは言わずに、警察官に任せようと思い、検分が始まるのを待っておりました。

その時に、変なおじさんが、私の所に寄って来て、事故の状況をしつこく聞いてきました。風体からいって、警察官には見えませんでしたので、
「あなたは、警察官ですか。事故に関しては警察官としか話しません。」
と言ったら、私の質問に答えずに、同じ質問を繰り返すので、私も無視をしました。
そしたら、
「50%、50%だな。」
と私に話しかけてきました。
これも無視しました。

その時に、奥さんと思われるおばさんが来て、バイクを運転していたおじさんと話しをしていましたが、救急車が来て、バイクを運転していたおじさんは、病院に向かいました。

そのおばさんは、何故か救急車に乗って一緒に行かずに、いきなり私の所に来て、
「日本人か。仕事はなんだ。」
といろいろと質問してきました。

私は、自分の亭主が(この時は二人は夫婦だと思っておりましたが、実は兄妹だったみたいです。)交通事故に会って病院に向かっているのに、一緒に行かずに、事故の示談金の交渉をする奥さんを見て、余計なことを言わないためにも、彼女とは話しをしませんでした。

幸い車はフロントガラスが割れましたが、運転できるないほど壊れておりませんでしたので、すぐ近くの警察署に、車を運転して、警察官と一緒に行きました。

普通、タイでの交通事故は、0%か100%かです。
要するに、どちらかが100%悪く、どちらかが100%悪く無いのです。
ですから、タイ人が交通事故を起こすと、ものすごく怒鳴りあって、どちらが悪いか言い合うのが多いのです。外国人が事故を起こすと、場合によっては、当事者のタイ人と組んで、相場より高い示談金を要求されることのもあります。保険に入っていれば、すべて保険会社に任せるのが無難です。

しかし、私が、これほどまでに落ち着いていられたのも、ここコラートでは警察官の知り合いが多く、この警察署の警官にも知り合いがいたからです。

おとなしい日本人とぶつかったので示談金を取れると思った家族が、喜びいさんで警察署に来たのが手に取るように分かりました。しかし、私が思っていた通りの日本人ではなく、自分達より警察官と親しいと知った彼らは、失望の色を隠しませんでした。

さらに、近くに住む友だちにも連絡しておきましたので、彼も駆けつけてきてくれました。

とりあえず、夕方、もう一度、示談について話し会うことになってこの場は、分かれました。

夕方もう一度、警察署に行った時には、私の友だちが示談交渉をしてくれました。
バイクを運転していた人は、もちろんお金などありませんし、保険にも入っておりませんから、車は自分で修理しなければなりません。

車の修理代は、10,000バーツにもなる。
飛び出したほうが悪いのだから、本当はあなたが修理代を払わなければならない。
しかし、あたなには払うことができないのだから、車は私が自分で修理するので、示談金など出せない。

と三段論法的な説明で、
「お金は一切払う必要は無い」
と友だちが主張してくれました。

警察官も、日本と同じで、裁判官ではありませんので、誰が良い、悪いとは言いませんが、誰から見ても飛び出したほうが悪いのですから、示談金の話しも一切しません。

先方は、
「確かに示談金を貰える立場ではないが、男手が2ヶ月近くも入院して働けないので生活費が稼げず困っている。少しだけ、お金を恵んで貰えないか。」
と朝とはうって変わって下手になってきました。

「いくらあげれば、いいのですか。」
と友だちに聞いたところ、
「2,000バーツで十分じゃない。」
と返ってきました。

ということで、友だちの助けも借りて、
車の修理代は自分持ち、プラスお見舞い金2,000バーツ
で示談が成立しました。

警察署で、ノートにサインして、お見舞い金を払って、おしまいでした。


「最後に」

決して、自分の自慢をするわけではありませんが、今回は簡単に話しが済んだほうだと思います。それは、ここに登場した私の友だちが、この警察署の管轄の市会議員さんですし、担当の警官とも古くからの知り合いだったからです。

それに、私も、ちゃんとタイの運転免許証を取得しております。さらに、タクシン首相の方針「どんな病気も30バーツで治します。」のお陰で、怪我の入院費もただみたいなものです。

毎回、外国人が誰でも、こんなに簡単に話しが解決するとは限りません。

タイ人の車の運転は荒いです。こちらがちゃんと運転していても、向こうからぶつかってきます。道路をバイクも、乗用車も、そしてトラックまで逆走してきます。しかも、タイの警察官は、これを捕まえようともしません。

ですから、私としても、旅行者の方の車やバイクの運転は、お薦めできません。どうしても運転する場合には、任意保険に加入することをお薦めいたします。

くれぐれもお気を付けください。



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